泌尿器科医の徒然日誌

日々思ったこと、医療情報などを綴っています

カテゴリ: key postings

患者さんによく聞かれることがあります。

「その手術は簡単なんですか?」

僕はいつも返答に迷います。

なぜなら、


「どんな難易度の高くないとされる手術であっても、今よりもっとよい方法が絶対ある筈。毎回毎回、”前回よりも
少しでも進化した手術をしなければいけない”と思い、研究し、手術に望んでいる」


からです。

もちろん、患者さんに迷惑がかからない範囲内で改良を重ねているわけですが・・・。

これからも、よりより手術(医療)を、考えて、考えて、考えて、いきたいと思います。

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読者の皆様、いつもありがとうございます。
この一年間、このブログを書いてみて思ったことは、

① 三郷周辺の患者さん向けに発信するつもりで書き始めたのだが、読んでくださっているのはほとんどが医療関係者である
 ⇛三愛会総合病院の宣伝にあまりなっていない…(汗) 

(このブログにはアナライザーをつけていたので、一日のアクセス数、訪問者の訪問元都道府県、検索語句、使用プロバイダー などなどが僕にはわかっていたのでした。もちろん、誰がアクセスしているのか、含め、個人情報は一切わかりません。僕レベルのコンピューター知識では…。僕にはそこまで知る必要も無いですし・・・

② ①であることがわかったため僕自身、<医療ニュース>をそれなりに専門的なものにしてしまった
③ コメントを書いてくださる方が固定している
④ facebookの利用者がこの一年で激増した
⑤ facebookページの方が僕の目的には合っていそうだ。(ブログはどちらかと言うと一方通行、facebookページ気軽にコメントできるので、双方向にコミュニケーションができそう。)

などでした。



と、いうことで、ブログ→facebookページの方向で連動させていこうと思っています。ただし、連動させるものは僕が手動(融通を利かせるためあえて自動にはしません…)で行うので、ブログのほうにも目を通していてだけると幸いです。

ブログの内容に関しては、本来の目的(患者さん向けに発信)を再認識し、ラフな形で書いていこうと思います。
ただ、読者の方の中には <今週の医療ニュース> を楽しみにしてくださっていた方もおられるので、たまにはかたいことも書くかもしれません…。

つまり、メイン:facebookページ、サブ:このブログ でいきたいと思います。

再度、facebookページのURL
http://www.facebook.com/sanaikai.urology


今年度も宜しくお願い致します。

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タイトルの言葉は今年の日本泌尿器科学会総会で東北大学の荒井教授が仰ってた言葉です。
「なるほど。いいフレーズだな」と。思ったので今回使わせていただきます。
(荒井先生の許可は得てないですが…)

このブログは三郷界隈の方々向けに書いているつもりなのですが、複数の泌尿器科医の先生方から「ブログ読んでるよ」という連絡を頂きました。

ということで、今回はちょっとマニアックに…。

僕が以前
「僕が腹腔鏡手術(ラパロ)に手を出さなかった理由」(2011/04/11)
の記事の中で書いた、広範前立腺切除術(=拡大切除術)の直近の摘出標本を載せます。

腹側からの写真はピンボケしてるので直腸側から見たもののみ載せます…。

 泌尿器科の先生、または前立腺全摘も行っている外科の先生、それから(マニアックな)患者さんは通常の前立腺全摘術との違いをわかっていただけると思います。
より根治性を高めるためにデノビエ筋膜を前・後葉とも切除(つまり、摘出後の術野は若干の直腸前脂肪識と直腸筋層が見えてます)してます。精嚢は直腸側からみるとデノビエ筋膜に隠れて見えていません。。。

市中病院でも今まで同様 or それ以上にこだわってやっております。。。

今後もまだまだ、磨きをかけていきます。毎回、試行錯誤し、少しでも技術を進化させていこうとやっています。

「あなたは癌です」

と言われたらあなたは まず 何を考えますか?

「痛くない治療方法がいいなあ。」
「傷が目立たない治療方法がいいなぁ」

と考えますか?

いや、ほとんどの方はそんなことよりも
「自分には死ぬのだろうか?」
「自分に残された時間はどの位あるのだろうか?」
「治す方法はあるのだろうか?」
といったことを考えるのではないでしょうか。

そして、その後しばらくして、自分が癌であることを受け入れた後に
欲を出して「痛みの少ない治療がいい。傷が目立たない方がいい」などと考えるのです。

それでは
「あなたの状態では手術は不可能です。」
と言われたらあなたはどうでしょう?藁をもつかむ思いで何でもいいから治す方法がないかを探し民間療法を含む治療を受け入れるのではないでしょうか。

僕は、なるべく 
「治療(手術)は不可能です」
という言葉を言いたくない。

それが僕が腹腔鏡手術に手を出さなかった理由のひとつです。
新しいものに手を出すよりもまずは既存の方法をより高度な技術でできるようになりたい。
と僕は思ったからです。

つまり、たとえば最近多い前立腺癌(:2002年に天皇陛下が自身が前立腺癌であることを公表しその後手術を受けられた)の理想的な手術適応は「PSA<10ng/ml、Gleasonスコアが7以下、かつT1c-T2bまで」とされており(前立腺癌診療ガイドライン2006年版:日本泌尿器科学会/編 より)その基準を遵守している泌尿器科医が多いのが事実です。しかし、そこには但し書きがあり、「一方、Gleasonスコア8以上、あるいはPSA20ng/ml以上、さらにはT3症例にたいして、あるいは高齢者の局所前立腺癌を前立腺全摘除術の適応外とする理由は証明できない。(中略)もちろん、それらすべてが本治療の適応とならないことは明確であるが、期待余命、QOLなども考慮し対応することが肝要である。(中略)この手術における経験、慣れは治療成績、術後合併症、後遺症に関与している、ことを考慮すると、広範な局所切除と外科的バランスを取ることのできる経験のある泌尿器科医が行うべきであると考えられる。」と明記されています。

これは簡単に説明すると、進行性の前立腺癌であっても訓練を受けてきた、ないしは経験の豊富な泌尿器科医が手術をすることで寛治(または生命予後を伸ばす)させられることができるということなのです。
癌研有明病院、がんセンター中央病院など日本で癌治療の最高峰とされている施設では腹腔鏡手術が導入されていませんがどちらもその 広範切除 を行っています。
僕も、癌研有明病院などの一流の術者のもとで同手術法を学んできましたが、ただ前立腺を摘除するのと、手術成績(癌のコントロール)やQOLにこだわって 広範に 摘除するのとでは難易度も全く変わります。
また、僕は、前述のGleasonスコア・PSA値・Tstage・年齢に関しても、より手術適応を広く設定しています。

また、「痛み」ですが、前立腺全摘術の場合は開放手術では臍下を約10cm前後切りますが、ほとんどの患者さんは翌日から歩いています。麻酔技術の向上により痛みをコントロールすることができますし、そもそもこの切り方は筋肉をあまり切らないので痛みが強くはありません。しかも前立腺癌にかかる方は男性のみです。そんなに傷痕にこだわりますか?

つづいて腎癌ですが、これは開放手術では10cm以上の切開が必要ですが、腹腔鏡手術では数cmの傷がいくつか付くだけ。確かに違いはあります。ただ、腎癌でもより大きく悪い部分を取り除くには開放手術のほうが適しています。ただし、早期の腎癌で若い女性(特に未婚)であれば僕も腹腔鏡手術をお勧めするかも知れません。それは、そのような患者さんにとっては腹腔鏡手術のほうがベターであると思うからです。


以上、長くなりましたが、結論としては癌は死につながり得る病気です。
だからこそ、一時の痛みや傷の大きさよりも自分の命のことを考えていただきたいし、僕も追求していきたいのです。

【筆頭著者・発表のみ】

・当院におけるHigh risk前立腺がんに対する前立腺全摘術後の追跡調査報告
 (2018.04 日本泌尿器科学会総会)
・ PROGNOSTIC SIGNIFICANCE OF INFLAMMATION-BASED PROGNOSTIC SCORING IN PATIENTS        WITH UPPER URINARY TRACT UROTHELIAL CARCINOMA
    (2017.06 APCC @Seoul, Korea)
上部尿路上皮がんにおいて血中CYFRA21-1値は予後予測因子となりうるか
 (2017.04 日本泌尿器科学会総会)
PSA 2.5-4.0 ng/ml の前立腺癌陽性症例の臨床的検討
 (2016.04 日本泌尿器科学会総会)
・当院におけるHigh risk前立腺癌に対する前立腺全摘術の治療成績
 (2015.04 日本泌尿器科学会総会)
・CA19-9は上部尿路癌のバイオマーカーとなるうるか?
 (2014.06 日本泌尿器科学会埼玉地方会)
・当院におけるPSA高値(≧20ng/mL)症例に対する根治的前立腺全摘術の臨床的検討  
 (2014.04 日本泌尿器科学会総会)
・An evaluation of the predictive value of serum CA19-9 in patients
 with upper urinary tract urothelial carcinoma 
 (2014.04 EAU Annual  Congress @Stockholm, Sweden)→ Best Posterに選出
・当院におけるHoLEP術後早期尿失禁の検討と対策 
 (2013.04 日本泌尿器科学会総会)
・当院における局所麻酔下多部位立体前立腺生検 
 (2013.02 低侵襲研究会 )
・Editorial comment to oncological outcomes after radical nephroureterectomy
 for upper tract urothelial carcinoma: comparison over the three decades. 
 (Int J Urol. 2012 Dec;19(12):1066-7)
・当院で行った完全サンゴ状結石治療〜局所麻酔下(無麻酔下)での試み
 (2012.02 低侵襲研究会 )
・Prognostic significance of preoperative serum CYFRA 21-1 in patients
 with upper urinary tract urothelial carcinoma.
 (Int J Urol. 2011 Jan;18(1):43-7).11)
・上部尿路腫瘍における予後予測因子としての血清CYFRA21-1の有用性の検討
 (2010.10 日本癌治療学会)
・THE IMPACT SERUM CYFRA 21-1 ON THE PROGNOSIS OF PATIENTS
 WITH UPPER URINARYTRACT UROTHELIAL CARCINOMA 
 (2010.05 AUA Annual Meeting @San Francisco, USA)
・上部尿路癌における血清CYFRA21-1の有用性の検討 
 (2010.4 日本泌尿器科学会総会)
・腎盂尿管癌におけるバイオマーカーの検討 
 (2009.04 日本泌尿器科学会総会)
・進行性上部尿路癌に対する術前化学療法+手術の成績
 (2009.02 膀胱癌治療カンファレンス)
・患者さんが知りたいリスク・副作用・予後がわかるがん治療最前線Q&A 前立腺がん.
 (ナーシング. 29(9): 42-47, 2009)
・進行性上部尿路癌に対する術前化学療法の検討
 (2008.11 日本泌尿器科学会西部総会)
・腎盂尿管癌の予後因子としてのCRPの意義
 (2008.04 日本泌尿器科学会総会)
・FDG−PET検査が発見の契機となった限局性前立腺癌の3例
 (2007.10 日本泌尿器科学会東部総会)
・多数回のTURBt後出血をきたした膀胱腫瘍の1例
 (2007.05 臨床泌尿器科協議会)
・MDCTが診断に有用であった腎盂腫瘍の1例
 (2006.09 画像診断研究会)
・診断に難渋した左尿管腫瘍の1例
 (2006.09 臨床泌尿器科協議会)
・精索に孤立転移を認めた大腸癌の1例 
 (2006.03 日本泌尿器科学会茨城地方会)
・前立腺全摘術後の高感度PSAでのフォローアップの意義 
 (2005.10 日本癌治療学会総会)
・モーニングセミナー パネリスト
 (2005.09 日本泌尿器科学会東部総会)
・renal cell carcinomaと鑑別が困難であったcapillary hemangiomaの一例 
 (2005.09 日本泌尿器科学会東部総会)
・当院におけるHIFU適応患者の選択と治療後の経過
 (2005.07 前立腺癌治療懇話会)
・腎盂腫瘍との鑑別が困難であったベリニ管癌 
 (臨泌59:229−231,2005.3)
・経尿道的前立腺切除術をより安全に行うための自己血貯血の有用性 
 (2004.11 日本Endourology・ESWL学会総会)
・PSA高値で発見された前立腺結核の一例 
 (2004.09 日本泌尿器科学会東部総会)
・経尿道的前立腺切除術における自己血貯血の検討 
 (2004.04 日本泌尿器科学会総会)
・Bellini管癌と考えられた腎腫瘍の1例 
 (2004.03 日本泌尿器科学会茨城地方会)
・射精障害患者数の経時的変化 
 (2003.06 日本不妊学会関東地方部会)
・射精障害の臨床統計−バイアグラ発売前後の比較− 
 (2003.04 日本泌尿器科学会総会)
・泌尿器系外傷のretrospectiveな検討
 (2002.09 日本泌尿器科学会東部総会)
・射精障害の臨床統計、バイアグラ発売前後の比較 
 (2002.09 日本性機能学会総会)
・Surgical treatment of congenital penile curvature and Peyronie’s disease 
 (2001.10 Asia-Pacific Society for Impotence Reserch @Phuket, Thailand)
・Surgical treatment of congenital penile curvature and Peyronie’s disease 
 (2001.10 Annual Congress of Japan Section, International College of Surgeons
  @Tokyo, Japan)
・泌尿器系交通外傷の検討 
 (2001.10 日本泌尿器科学会東部総会)
・Skene腺嚢胞の1例 
 (2000.12 日本泌尿器科学会東京地方会)



【メディア出演】
・2016.09.25 79.2Mhz.レインボータウンFM 【上野 淳の東京☆夜会】: 「頻尿について
2017.02.19 79.2Mhz.レインボータウンFM 【上野 淳の東京☆夜会】: 「過活動膀胱について

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