泌尿器科医の徒然日誌

日々思ったこと、医療情報などを綴っています

2015年07月

神戸大学感染症内科教授の岩田健太郎先生のブログ ( http://goo.gl/1piYsQ ) からの転載です。
少なくとも僕は「なるほどなぁ」と思ったので(僕も "一応" ICDです(ICD=Infection Control Doctor))、岩田教授の許可を得て転載させていただきます。

学生さんのレポートというところもポイントです。
僕が医学部6年生の頃、オーストラリアで研修を受けた際も、同僚の学生達は「I am a student doctor.」と前置きした上で患者さんの診察をし、医師と同じ研究会に普通に参加していたのを思い出しました。


ーーー
カテーテル関連血流感染症(CRBSI)の診断におけるカテーテル先端培養の意義

注意! これは神戸大学病院医学部5年生が提出した感染症内科臨床実習時の課題レポートです。内容は教員が吟味し、医学生レベルで合格の域に達した段階 で、本人に許可を得て署名を外してブログに掲載しています。内容の妥当性については教員が責任を有していますが、学生の私見やロジックについてはできるだ け寛容でありたいとの思いから、(我々には若干異論があったとしても)あえて彼らの見解を尊重した部分もあります。あくまでもレポートという目的のために 作ったものですから、臨床現場への「そのまま」の応用は厳に慎んでください。また、本ブログをお読みの方が患者・患者関係者の場合は、本内容の利用の際に は必ず主治医に相談してください。ご不明な点がありましたらブログ管理人までお問い合わせください。kiwataアットmed.kobe-u.ac.jp まで



カテーテル関連血流感染症(CRBSI)の診断におけるカテーテル先端培養の意義

CRBSIは院内感染症の14%を占めており、その大半は中心静脈カテーテル関連のものであると言われている。おもに刺入部の皮膚細菌叢がカテーテル外側を先端部まで移動することにより、通常挿入後1週間以内に起こるものとされている。CRBSIは、血管内カテーテルを挿入されている患者で、カテーテル挿入部の外見や、他に原因のない発熱または菌血症の存在を根拠に疑われる(1)。

カテーテル先端の培養方法には、定性と定量の2種類の方法がある。定性培養は菌が生えた時点で陽性と判断するものであり、一方で定量的な培養は培養で生じたコロニー形成単位(cfu)の値がある値を超えるときを陽性と判断するものである。定量的な培養は半定量培養と定量培養に分類され、それぞれカテーテルの先端部を血液寒天培地上で4回以上転がす方法(Roll plate法)、カテーテル内腔を洗い流すもしくは超音波処理する方法(sonication法)(2)であり、違いは培養検体としてカテーテルの内腔を含むか含まないかである。

 CRBSIの診断は、末梢血血液培養(できれば別々の部位から採血した2セットの培養)と血管内カテーテル先端の半定量または定量培養で、同じ微生物種が検出されることによって確定される(1)。IDSAによるCRBSIに関するガイドラインによると、カテーテル先端部5cmでの半定量培養にて、15コロニー形成単位(cfu)以上が確認されることもしくは、定量培養にて100cfu以上が確認されることにより、カテーテルへの菌の定着が証明できるとされている(2)。

Makiら(3)による半定量培養と定性培養を比較した論文では、半定量培養が陽性となった25本のカテーテルのうち、4本のカテーテル(16%)で菌血症を引き起こしていた。またカテーテル関連でない菌血症を引き起こした37本のカテーテルの半定量培養ではすべて陰性となり、CRBSIの診断として特異度が100%と示されている。また、この論文で検討された250本のカテーテルのうち、49本が定性培養のみで陽性となったが、その中で菌血症を起こしたものは存在しなかった。

また、Dennis Jら(4)による定量培養と定性培養を比較した論文では、定性培養で陽性となった46本のうち定量培養でも陽性となったのは24本(52%)のみであった。菌血症が判明した13例ではすべて定量培養が陽性となっており、定性培養のみが陽性であったものでは菌血症は見られなかった。

さらに、NasiaらによるMeta analysis(5)では、CRBSIの診断においてカテーテル先端の定性培養は感度90%と最も高いとされているが、特異度は72%と最も低く、診断において有用とは言えない。半定量培養では感度85%、特異度82%、定量培養では感度83%、特異度87%と、それぞれある程度信頼性の高い検査方法と考えられた。 

以上のことより、カテーテル先端の培養は、定量培養法、半定量培養法を行うことでCRBSIの診断的意義を持つが、定性培養はあまり意義を持たないと考えられる。CRBSIの診断において最も重要なのは血液培養であるが、カテーテル先端培養を提出する際は、定量培養を行っているかどうかの確認を事前に行うことが大切である。



【参考文献】

(1) ハリソン内科学 第4版p.975

(2) Leonard A. Mermel, et al. Clinical Practice Guidelines for the Diagnosis and Management of Intravascular Catheter-Related Infection: 2009 Update by the Infectious Diseases Society of America CID 2009;49 1-45

(3) Maki DG, et al. A semiquantitative culture method for identifying intravenous-catheter-related infection. N Engl J Med 1977; 296: 1305-9

(4) Dennis J, et al. Quantitative Culture of Intravenous Catheters and Other Intravascular Inserts. J Infect Dis 1980; 141: 781-6

(5) Nasia Safdar, et al. Meta-Analysis: Methods for Diagnosing Intravascular Device-Related Bloodstream Infection. Ann Intern Med. 2005; 142: 451–466

最近、またバタバタしておる須山です(ま、高が知れたバタバタです…)。
先月のブログは、埼玉地方会の運営業務のために更新をお休みすることを書こうと思いながら忘れておりました。
と言うか、実は記事は書いていたのですが投稿するのを忘れておりました。
気づいた時には、内容が古くなっていたので投稿を断念したというなんともマヌケなわたくしです…。

Twitter (https://twitter.com/urosuyama)の方は、気が向いた時に面白いなぁと思った情報などをRe Tweetしておりますが、まだ100もツイートしておりません…。(以前から使っているアカウントの方も5年位で1000ツイート位なので、全く期待できませんが。)
内容は医学系は少なく、僕の興味のあるテクノロジー系が殆どです。
そういえば、先日Re Tweetしたこの記事( http://goo.gl/dshws2 )は今もとても気になっております。

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて医療の世界も凄いスピードで進歩する気が僕はしております(∵テクノロジーの猛進)。

いや~、楽しみだぁ〜。
僕も何か面白いことがやりたい!
外科領域はウェアラブルデバイスと何かの融合かな…

【今日の一冊】



今月は完全に医療関係者(というよりも医師)向けにおすすめの本になってしまい恐縮ですが、
これは医師全員に一読の価値があると思った本なので紹介いたします。
医療関係以外の方も医学界の実情が垣間見れて面白いかもしれません。

↑このページのトップヘ