泌尿器科医の徒然日誌

日々思ったこと、医療情報などを綴っています

2012年01月

2012年に入ってからの三愛会は よい です。

以前、当ブログで大学病院と市中病院の違いについて僕の考えをコメントしましたが、
各部署がアカデミックになっております。この2週間で数本の抄録チェックを
しました。そして、その方々が後輩に学会活動etc…を勧めております。

看護師さんたちも疑問をどんどん自分で調べています。医者に聞くばかりでなく…。
これが大切な作業だと思います。

そして、病院も文献の検索サイト(有料)を上限額をつけて導入するとのことです。
このような投資は絶対に必要です。経費削減はもちろん必要ですが、これは必要経費です!

いやー、かなり よい です。

臨床だけでなく、アカデミックさが加わると医療自体がものすごくパワーアップ
すると思います。


<今週の医療ニュース>

≪≫内は僕のコメント



●前立腺癌スクリーニングに診療の基準はなく、ガイドラインは国や医学組織・学会ごとに大きく異なる

前立腺癌スクリーニングをめぐる議論はいまなお続いており、ガイドラインは国および医学組織・学会ごとに大きく異なることが、最近の文献レビューから示された。前立腺癌スクリーニングに関する臨床試験、エビデンスに基づく推奨事項、主要関連医学組織・学会のガイドラインについて検討している文献をMedlineにて検索し、評価を行った。前立腺癌スクリーニングに対する支持または不支持のエビデンスについて
は活発な議論が続いており、European Randomized Screening for Prostate Cancer(ERSPC)試験およびGoteberg Swedish試験では前立腺癌死亡率の低下が示される一方で、Prostate, Lung, Colorectal, and Ovarian (PLCO) Cancer Screening Trialでは有用性なしと報告されている。米国泌尿器科学会(AUA)およびNational Comprehensive Cancer Network(NCCN)など、スクリーニングの問題を評価している主要な専門組織の間でも、ガイドラインの一致はみられていない (Gomella, L.G. et al. Can J Urol 2011, 18(5): 5875)

≪PSAのスクリーニングに関しては色々な意見の論文が出ています。この論文に対しても「USPSTF(The U.S. Preventive Services Task Force:米国予防医学専門委員会)は熟考して意見を出すべきだ」とエディターは言っています。
 ちなみに現時点での僕の 個人的な 意見は「50歳以上の日本人男性は全員PSAスクリーニングを年一回受けるべき(家族歴により例外あり)」です。この意見はもう少し論文が蓄積されてくれば変わると思いますが、受けなくてもよいという意見にはたぶんならないと思います…。≫

さぁ、2012年がスタートしました。
今年もさらに気合い入れていきますのでよろしくお願い致します。

三愛会総合病院は4日間のみの年末年始休暇でした。あまり休みっていう感じはしませんでした。


<今週の医療ニュース>

≪≫内は僕のコメント

●短時間の高強度運動が2型糖尿病患者の血糖降下に有用

「時間がない」とは運動不足の言い訳によく使われるセリフだが、週数回の短時間高強度運動でも2型糖尿病患者の血糖降下に効果があることが、カナダの小規模研究で判明した。2型糖尿病患者において週 30分、ウォームアップ、クールダウンを含めた計75分程度の運動時間でも、運動後24時間にわたり血糖値が降下し、食後血糖値の急激な上昇が抑制されたという。研究は、医学誌「Journal of Applied Physiology」2011年12月号に掲載された。
運動に血糖降下作用のあることは知られており、米国糖尿病協会(ADA)は糖尿病患者に対し、毎週最低150分の中等度から高強度の運動を行うことを奨励している。これは1日30分の運動を週5回行うことに相当するが、患者全員にその時間がとれるわけではない。そこでカナダ、マクマスター大学(オンタリオ州ハミルトン)運動学部長(教授)のMartin Gibala氏らは、より短時間で行う高強度運動が血糖値に影響をもたらすかどうかを検討した。

対象は2型糖尿病患者8例で、平均63歳、平均ボディ・マス・インデックス(BMI)は32であった。被験者は2週間にわたり、6セッションの高強度トレーニングを完遂した。トレーニング内容は、高強度運動を1分間実施後、1分間休憩し、高強度運動の合計時間が10分になるよう繰り返すもので、1セッションはウォームアップとクールダウンの時間を含めて25分とした。

運動強度は心拍数が最大値の90%に達するまでとした。Gibala氏は「これは1分間まさにハードな運動をしていることを意味する。1分後には息が切れて、話すこともできないほどである」と述べている。この種の運動では、自分のフィットネスレベルを評価できるため、自身にとって安全かつ効果的であるという。

研究期間中の血糖測定に加えて、研究者らは開始時と終了時に全被験者の大腿筋の組織生検も行った。その結果、被験者の血糖値は137 mg/dLから119mg/dLへと降下、食後血糖値はトレーニングセッション完遂後も長期間降下が持続していた。生検結果からは、代謝機能の改善指標である骨格筋細胞のミトコンドリア容量(skeletal mitochondrial capacity)が増大していることも確認された。Gibala氏は「運動後には血中のグルコース輸送蛋白(たんぱく)が増加し、これら輸送体がグルコースを筋肉内へ移送させるため、血中のグルコースが低減する」という。

米モンテフィオーレMontefioreメディカルセンター(ニューヨーク)臨床糖尿病センター長のJoelZonszein氏は、短時間高強度運動の有効性を認めながらも、運動量は多いほうが望ましいと指摘。「短時間でも運動しない場合に比べればよいが、もし週数回20-30分の定期的な運動ができるのであれば、その効果を試してみるべきである。規則的な運動は堅実なグルコース代謝をもたらす」と述べている。

≪面白い研究ですが、結局最後のくだりでは今までどおりの有酸素レベルでの運動を勧めているのでしょうか?(笑)≫

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